関西学院大学文学部主催講演
今年はエリック・サティがこの世を去ってからちょうど100年。西洋音楽の伝統から
はずれ、親しみやすくもどこか奇妙な作品を数多く残した彼は、現代音楽の先駆者の
ひとりとなっただけではありません。この異色の音楽家は、作家のジャン・コクトー、
ダダを率いたトリスタン・ツァラ、キュビスムの創始者パブロ・ピカソなどと
も交流して20世紀の前衛芸術シーンに大きな足跡を残してもいるのです。
このレクチャーコンサートでは、フランス文学と音楽学の二つの視点から、このサティ
の音楽に迫ります。ゲストはフランスを中心に世界で活躍するサクソフォニストの
仲野麻紀とピアニストのステファン・ツァピス。
ジャズと即興の要素をとりこんだ独自の解釈でサティを演奏し続けてきた二人に導かれて、
サティの音楽の素晴らしさやその現代性を感じましょう。
2002年渡仏以来フランスを拠点に活動。自然発生的な即興、エリック・サティの楽曲を取り入れた演奏からなる「Ky」、ブルキナファソ&コートジボアール&フランスの音楽家たちによる多国籍バンド”Bala Dee”、モロッコスーフィー教団楽士+フリージャズのプロジェクトなどを並行し、ジャズとワールドミュージックを横断。演奏活動の傍ら2009年から音楽レーベル、コンサートの企画・招聘を手がけるopenmusicを主宰。音の生まれる空間、トラッド・ミュージシャンたちとの演奏を綴った『旅する音楽』(せりか書房2016年)で第4回鉄犬へテロトピア文学賞受賞。
5歳でピアノを始め、すぐにセロニアス・モンクに魅了されジャズに傾倒。パリ第8大学で音楽学の学位を取得し、同時にジュヌヴィリエ音楽院でジョゼット・モラタに師事。クラシックピアノをベルナール・カヴァーナに、バンジャマン・ムッセイにジャズを学ぶ。国立パリ地方音楽院ジャズ部門のコーディネーターを務めながら、音楽家および教師としてのキャリアと並行し自身の音楽活動を行う。出自にギリシャとフランスの文化を持ち、ピアノトリオを初め様々な演奏活動を展開している。
2025年11月5日(水)11時開演(12時40分終演予定)
入場無料
予約制(予約フォームはこちら)
主催:関西学院大学文学部
問い合わせ:akihirokubo★kwansei.ac.jp(★を@に変えてください)